私たちもくれんのチームは、お互いを思いやり、自分がどんなに辛く大変な思いであっても、それを乗り越え共に支え、見返りなど考えず無限の愛情を相手に注ぐそんなチームなのだと思っている。

そして、それにどれだけ助けられたか…。

 

人は、順風の時は支えられていることに気づけない。

また、自分が頑張って生きていることに自信がない時もそうなのかもしれない。

でも、人はどこかで必ず人に支えられて生きている。

それと同時に、人は、他者を支えることによって自分自身を支えていることにも気づかされる。

 

今、病気に苦しんでいる私の友人は病に伏せているのに、気丈に私を励ましてくれる。

彼はこの病気との戦いは同じ病気で苦しむ人を理解するために大切な時間と語り、自身の病をきっかけに自分以外の人を想い、人を支えようと考えている。

 

私にはじめてケースワークの実践を教えた先輩は、終末期の段階であっても、「今、私は病院のベッドの上で本には書かれていない貴重な体験をしているの」「羨ましいか?フン、あなたには分けてあげない」茶目っ気を含み言われた。

しかし、そう言いながらも、酸素が鼻からはじれたのを直すことができないくらい衰弱していても、色々語ってくれた。

 

彼らは、精神力がとってもあって、強い人だったわけではない。

友人は、ショックのあまり、喋ることさえ辞め毎晩泣き続けていた。

先輩は人生諦めが肝心と言いながら、若くして、そして子どもを残して去らねばならない様々なことに諦めきれず心傷つきひとしきり泣いた。

 

アルゼンチンの詩人アントニオ・ボルキアは「人は嘆き悲しむからこそ人間なのであると語る。

 

受けた苦しみをどう受け止めるか。

自分ひとりで、乗り越えることができる苦しみもあれば、自分ひとりでは乗り越えられない悲しみがある。

 

人の苦しみを知るために、あえて困難な道を選ぶことを教えてくれた恩師。

 

アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサーは「過去に体験した苦痛は、今日の自分と大いに関係がある」とした。

 

今体験する苦痛や苦労は、未来の自分に必ず意味を伝え残していく。

その苦労が意味あるものになるか。無駄な苦しみとなってしまうのか。

今体験する苦痛を意味あるものへと捉えることができることが大切なことなのだろう。

 

それは、自分自身でそう捉えることができる時もあるだろう。

場合によっては、支え教えてもらうことで気づくこともあるだろう。

多くは、支えられることによって意味あるものへと意味づけやすくなるもので、その時は気付けなくても、その時に支えてもらった言葉が将来ふっと気づくきっかけになる時がそれなのだろう。

そう考えると、教え支えてくれる人次第で、その後の様々な人生の価値に大きく影響し変わってくるとも言える。

 

1月の「100分で名著」は内村鑑三の代表的日本人でした。

内村鑑三が、自分の人生を重ねて見ていたのが、日蓮大聖人だったと言います。

日蓮大聖人は「甲斐無き者なれども たすくる者.強ければたうれず すこし 健の者も 独なれば 悪しき みちには たうれぬ」と御書の中に記されている。

その大意は「木を植えるとき、強い支えがあれば大風にも倒れない。もともと生えていた木であっても根が弱いと倒れてしまう」と、たとえられ「弱く不甲斐ないものでも助けるものが強ければ倒れない。頑健な者でも1人であれば悪道に倒れる」と言うことだそうです。

 

どんなに自身が弱くても、助ける人がいるかどうか?

しかも、その助ける人が善知識の人なのかどうかということになる。

 

誤った知識や思想の人に近寄り親しんではならない。正しい知識、正しい思想を保つ人を師匠に持つことが大切なのだと言う意味は、私自身今までの人生の中で実感することです。

 

そして、私が大好きなロマンロラン。

それにつながる話として、ロマンロランが書き記したひとつの逸話に気づかされる。

 

ロマンロラン全集25巻には、ベートーベンのことが書かれています。

 

かつて、晩年のベートーベンのところに一人の少年が訪ねてくる。

ベートーベンは、その少年を抱きかかえ「ほかの多くの人たちをたくさん幸福にしてあげなさい。これ以上に立派で気高いことはないのだよ。」と教える。

この少年は、やがて音楽家リストとして活躍しベートーベンの励ましに報い応えていったといいます。

 

ここにも大切な出会いと、巡り合わせの大切な物語がある。

出会いの次は行動(実践)です。

 

受けた恩を忘れていたら、恩には報えない。

忘恩の人は、人として寂しい人となると言われたことがある。

忘恩の人にはなりたくない。

 

さて、こうして14年目を迎えて、あらためて14年続いたその陰には、多くの支えてくれた人がいたこと。

そして、「チームリーダーである私が」ではなく、このやじろべーに関わる全ての人、そしてもくれんのチーム一人ひとりの個性ある想いと努力が、個性ある今を創り、新たな個性ある未来を創っていくのだろう。

「誠実で充実した友情こそ、もっとも重要である」と、ヘルマン・ヘッセは語る。

 

次の新たな刻に向かって、これからもチームとしてファミリーとしてみんなと歩んでいけたらと心から願う。

 

先月で法人創立の月が終わった。

これからの1年を15年目に向かっての意味ある大切な年となるように時を刻んでいこうと思う。